爾来15年、HACCPを支える一般衛生管理の重要性の認識の深まり、Codex HACCPとの整合性、ISO22000の登場からFSSCに代表されるGFSI承認の食品安全規格、農業分野からはグローバルGAPが加わり、Farm to Tableの食品安全が名実ともに整えられてきた時間であったかと思われます。そして、2022年6月に日本においHACCPが義務化となりました。この間、食品会社はもちろん建築設備関係会社にも、「食品工場はHACCP対応が当たり前」、ということが定着してきました。ただ、食品の分野へは引き続き新規参入があり既存施設の建て替えなどのニーズもあります。また流通分野から食品加工へ事業拡張をされるところなどもあり、基本的な建築・設備の考え方を記述した本書の内容が、依然としてご利用いただけると思います。こうした状況を踏まえて「はじめてのHACCP工場」を従来の原則的な考え方を確かなものとして継承し、新たに「外乱」「省エネ」「気流方向の維持管理」「DX導入」など新規の内容も加え、次世代に引き継ぐものとしてリニューアルしました。